障害福祉サービスの「受給者証」とは?申請から使い方までやさしく解説

📅2025/07/23

はじめに

障害福祉サービスを利用したいと思っても、最初のステップでつまずいてしまう人は少なくありません。「受給者証って何?」「どうやって手続きすればいいの?」という不安や疑問があって当然です。でもご安心ください。この記事では、障害福祉サービスを利用するために必要な「受給者証」について、やさしく丁寧に解説します。

「そもそも受給者証って何?」という基本から、「申請の流れ」「受け取ったあとにできること」まで、初心者の方にもわかりやすくまとめました。読み終えるころには、「なんだ、これならできそう」と感じていただけるはずです。少しでも不安が軽くなり、あなたの一歩を後押しできたら嬉しいです。


1. そもそも障害福祉サービスの「受給者証」って何?

この章で扱う主なポイントは以下のとおりです。

  • 一言でいうと?
  • 「障害者手帳」とはどう違うの?

以上のポイントを踏まえると、「受給者証」とは何かを正しく理解し、手帳との違いをイメージできるようになります。このあとでは、実際の申請ステップや利用できるサービスについても詳しくご紹介します。

一言でいうと?

受給者証とは、障害福祉サービスを利用するために自治体から交付される「許可証」のようなものです。生活支援や就労支援など、さまざまな公的サービスを受けるにはこの証明書が必要になります。

たとえば、「ホームヘルプサービスを使いたい」「就労支援を受けたい」と考えても、この受給者証がなければ利用手続きに進めません。つまり、あなたに必要な福祉サービスをスムーズに利用するためのスタート地点が、この1枚の証明なのです。

「障害者手帳」とはどう違うの?

「障害者手帳」と「受給者証」は、似ているようで役割がまったく異なります。障害者手帳は、「障害があること」を証明する公的な身分証明書のようなもので、割引や手当、税の優遇などに使われます。

一方、受給者証は「福祉サービスを実際に利用するための券」のような位置づけです。つまり、「障害者手帳=証明書」「受給者証=サービス利用券」というイメージで覚えるとわかりやすいでしょう。両者は併せて使うことが多く、それぞれの役割を知っておくことが大切です。


2. 申請から受け取りまでのカンタン3ステップ

この章で扱う主なポイントは以下のとおりです。

  • 【ステップ1】まずは役所の窓口へ「相談」に行く
  • 【ステップ2】言われた「書類」を集めて提出する
  • 【ステップ3】審査結果と受給者証の「受け取り」を待つ

以上の流れを理解すれば、受給者証の取得は決して難しいものではないと感じられるはずです。この章では、初心者でも安心して進められるよう、役所での相談から受け取りまでの手順をやさしく解説します。

【ステップ1】まずは役所の窓口へ「相談」に行く

受給者証の手続きは、「相談」からスタートします。お住まいの市区町村にある障害福祉課や福祉サービス担当の窓口が主な相談先です。

窓口では、あなたの生活状況や困りごとをヒアリングされ、それに合ったサービスの種類や申請手順を教えてもらえます。「何を聞かれるのだろう?」と不安になるかもしれませんが、特別な準備はいりません。気軽に足を運んで、自分にとって必要な支援を知ることが第一歩です。

【ステップ2】言われた「書類」を集めて提出する

相談のあと、必要書類を案内されます。主な書類は次のとおりです。

  • 受給者証の申請書
  • サービス等利用計画案(自分の生活目標などを記載)
  • 医師の意見書(必要な場合)
  • 本人確認書類や保険証のコピー

特に「サービス等利用計画案」は一人で書くには難しいことがありますが、窓口や相談支援事業所のスタッフがサポートしてくれます。不安な場合は、遠慮なく「計画案の作成を手伝ってください」と相談してみましょう。

【ステップ3】審査結果と受給者証の「受け取り」を待つ

書類を提出すると、市区町村が審査を行います。利用目的や必要性が確認され、問題がなければ「受給者証」が交付されます。通常は、申請から1か月前後が目安です。ただし、自治体や申請内容によっては、少し前後することもあります。

受給者証が届いたら、希望する福祉サービスの利用が可能になります。手元に届いたその日から、あなたの生活を支える新たな一歩が始まります。


3. 受給者証でどんな「良いこと」があるの?(利用できるサービス例)

この章で扱う主なポイントは以下のとおりです。

  • 自宅での生活をサポートしてもらえる(ホームヘルプ)
  • 日中に通える場所が見つかる(生活介護、デイサービス)
  • 働くためのトレーニングが受けられる(就労移行支援)

これらのポイントを知ることで、「受給者証を持つことで、どんなサポートが得られるのか」が具体的にイメージできるようになります。次の各項目で、それぞれのサービスの特徴をわかりやすく紹介していきます。

自宅での生活をサポートしてもらえる(ホームヘルプ)

一人での生活に不安がある方にとって、自宅に来て手助けをしてくれる「ホームヘルプ(居宅介護)」は心強い存在です。掃除や食事の準備、入浴介助、通院の付き添いなど、日常生活の困りごとに応じた支援を受けられます。

このサービスは、身体の動きに不自由がある方だけでなく、精神的な不安が強い方にも利用されています。安心して生活を続けるために、自宅にいてもサポートが受けられるのは大きなメリットです。

日中に通える場所が見つかる(生活介護、デイサービス)

「家にいるだけでは不安」「日中の居場所がほしい」という方には、通所型のサービスが向いています。たとえば、生活介護やデイサービスでは、生活訓練や軽作業、レクリエーション活動などを通じて、日中の居場所と人とのつながりが得られます。

こうした場所に通うことで、生活リズムが整ったり、社会的な孤立感がやわらいだりする人も多くいます。外出が難しい方でも、送迎付きのサービスがあるため、安心して利用できます。

働くためのトレーニングが受けられる(就労移行支援)

「いずれは働きたい」と思っていても、すぐに一般企業での就職を目指すのは不安という方もいるでしょう。そんなときに役立つのが「就労移行支援」です。ビジネスマナーや履歴書の書き方、職場体験など、段階的に就職に向けたスキルを学ぶことができます。

実際に、多くの人がここを経て、無理のないペースで社会復帰を果たしています。あなたの「働きたい」という気持ちを後押ししてくれる、大切なステップです。


まとめ

受給者証の申請は、少し勇気がいるかもしれません。ですが、この一枚の証明書が、あなたの生活を大きく変えるきっかけになります。日常の不安を減らし、自分らしい暮らしや働き方を支えてくれるのが、障害福祉サービスの役割です。

もし手続きの途中で戸惑ったり、不安を感じたりしたときは、一人で悩まずに地域の窓口や相談支援事業所に声をかけてみてください。誰かに相談することも、立派な第一歩です。

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