精神科に行く人はどんなきっかけで受診するのか|公的データから見る実態
📅2026/06/04

はじめに
本記事で使用しているデータは、厚生労働省が実施している「労働安全衛生調査(実態調査)」および「厚生労働白書」に基づくものです。
なお、2024年(令和6年)の調査では設問形式が変更されており、2023年以前の結果とは単純に比較できない点に注意が必要です。
データによると、2024年(令和6年)の公的調査では、仕事や職業生活についてストレスとなっていると感じる人は約7割でした。
その内容としては、
仕事の量(43.2%)
仕事の失敗・責任(36.2%)
人間関係(26.1%)
などが多く挙げられています。
※ストレス要因は複数回答のため、合計は100%にはなりません。
このように、精神的な負担は特別な出来事ではなく、日常の中で広く発生しています。
精神科に行こうと思う瞬間は特別ではない
「このままだと少しきついかもしれない」
「前よりうまく回らなくなってきた」
こうした感覚から精神科を意識する人は少なくありません。
2023年(令和5年)の公的調査では、仕事や職業生活において何らかのストレスを感じている人は80%を超えていました。
つまり、精神的な負担を感じること自体は珍しいことではなく、多くの人が経験している状態です。
ストレスの原因は日常の中にある
ストレスの中心は、仕事の量、仕事の責任、人間関係といった日常的に起こる要因です。
これらは一度の出来事ではなく、繰り返し続くものです。
そのため、精神的な不調は、突然起きるのではなく、負荷が積み重なっていく中で生じると考えられます。
心の不調は複数の要因で起きる
公的白書では、心の不調は働く環境、生活環境、人間関係、社会的要因などが重なって生じると整理されています。
つまり、原因は一つではなく、生活全体の負荷として現れるという構造です。
行こうと思うきっかけの実態
強いストレスの内容として多いのは、
仕事の量(43.2%)
仕事の失敗・責任(36.2%)
といった業務負担です。
このことから、精神科を意識するタイミングは、
突然限界になるのではなく、なんとなくうまくいかない状態が続く中で現れるケースが多いと考えられます。
それでも受診に至らない人が多い
精神的な不調があっても医療機関を受診しない人は過半数とされています。
また、ストレスの相談先としては、
家族・友人(71.7%)
同僚(64.9%)
とされており、まずは身近な人に相談する人が多い傾向にあります。
つまり、しんどいと感じたあとすぐに受診する人は少なく、一定期間は様子を見る段階があるという流れが一般的です。
迷っている状態は珍しくない
ストレスを感じている人は約7割にのぼる一方で、医療機関を受診しない人は過半数です。
このことから、しんどいと感じながらも受診していない人は多く、精神科に行くべきか迷う状態は珍しいものではないと整理できます。
まとめ
精神科を意識するきっかけは、
ストレス(約7割)
仕事の量・責任といった日常の負荷
によって生じています。
また、精神的な不調があっても受診しない人は過半数であり、精神科に行くかどうか迷う状態は特別ではなく、多くの人が経験している段階であることが分かります。
次に考えるべきこと
ここまで整理すると、次に出てくる疑問は一つです。
自分は受診すべき状態なのか
という点です。
同じようにストレスを感じていても、すぐに医療につながるケースもあれば、しばらく様子を見るケースもあります。
この違いは、どの段階までが一般的な負荷で、どの状態から医療的な対応が必要になるのかという判断によって分かれます。
次の段階では、この判断をどう考えるかが重要になります。
👉 次の記事では、その判断の目安を整理しています。
▶︎【精神科に行くべきか迷ったとき|専門家を頼る目安】
ここのリンクは①の新規リンク
転記元(出典)
本記事は、以下の公的資料をもとに作成しています。
- 労働安全衛生調査(ストレスの割合・原因が掲載されているPDF)
(「仕事や職業生活におけるストレス」の項目で、ストレス約7割・仕事の量43.2%・責任36.2%などの数値を確認できます)
- 令和6年版 厚生労働白書「第1章 こころの健康を取り巻く環境とその現状/第1節 こころの健康を取り巻く社会環境とその変化」(働く環境、人間関係、孤独・孤立など、こころの不調に関係する社会環境が整理されています)
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